訪問日 2022-11-7
再び月ノ美兎(以下委員長)の「体験レポ」回です。
体験レポとは
私の大好きなVtuberである月ノ美兎(以下委員長)が実際に行った場所なりお店なりでの体験を語るという雑談ジャンルのお話。
今回は埼玉県にあるという地下神殿に行って参りました。
この地下神殿めちゃくちゃ特撮の聖地なので記事のカテゴリに「特撮」を追加するか迷いましたね😂
地下神殿『首都圏外郭放水路』へのアクセス
地下神殿は正確には「首都圏外郭放水路」といいます。アクセスは
東武野田線(東武アーバンパークライン)南桜井駅北口より徒歩25~30分程度。
バスもあります。https://gaikaku.jp/news_list/news_5604/
住所:埼玉県春日部市上金崎720
公式サイト:https://gaikaku.jp/
公式からして地下神殿という呼称を使っているんですよね😆
地下神殿『首都圏外郭放水路』
まずは集合場所の龍Q館へ参ります。かなり大きな建物ですがここが地下神殿の入り口というわけではありません。龍Q館では見学会の受付と、地下神殿に関する基礎知識を教えてもらいます。そのあと地下神殿へ行くという流れですね。
私が到着したタイミングで龍Q館前にバスが停まりました。さすが埼玉という感じのラッピング。クレヨンしんちゃんの聖地である春日部にも行きたいです。
龍Q館
龍Q館に入ろうと思ったらこの「休館日」に標識。今日がドンピシャ月曜日でビビりますが地下神殿の見学会は予約しているので問題なし。龍Q館の中で受付を済ませましょう。
中には地下神殿の概略図や俳優さんのサイン色紙が飾られていました。ロケ地として大変有名な地下神殿は多くの作品の舞台になっています。
私は仮面ライダーでよく見る場所としてなじみ深いですね。
では受付をしますか。首都圏外郭放水路の見学会は4つのコースがあります。私は『立坑体験コース』を予約していました。お値段3,000円也。
これはいわゆる地下神殿と呼ばれている調圧水槽に加えて、水を取り込むための立坑も見学できるというものです。地下神殿の調圧水槽だけ見るのであれば『地下神殿コース』というお手軽なコースもあります。お値段1,000円也。
委員長体験したのが『立坑コース』だったので今回私もそれに倣おうと同じコースにしました😌
参加者が全員集まり集合時間になったら2階に移動です。
ここでは床に示された地図や壁のパネルを使って首都圏外郭放水路のメカニズムの説明を受けました。
地下神殿ってなんなの?
この地下神殿こと首都圏外郭放水路は日本の首都圏の洪水による浸水被害を軽減させるために作られた治水施設で、平成5年3月から13年の歳月をかけて平成18年6月に開通しました。
水を取り込むための立坑は全部で4つありますが、このあと見学する第一立坑は直接川につながっていません。他の4本の立坑(第三立坑が中川と倉松川ふたつの川の水を一緒に取り込めるので)合わせて5つの川の水を第一立坑は取り込んでいます。
立坑同士を結ぶ直径10mのトンネルは地下50m地点に全長6.3kmほど伸びるまさに水の路。ここを通って地下神殿である『調圧水槽』に水が流れるというわけです。
そして排水機場地下2階にある巨大ポンプ四台が地下の調圧水槽から14mも持ち上げて江戸川へ排水。ポンプを使わない時には貯水施設として約67万㎥もの水をためることができます。これは池袋のサンシャイン60ビル一杯分に相当する量です。とんでもない量をため込めるものですね……。
首都圏外郭放水路は年間平均7回、これまでに140回稼働しています。一番流入量が多かったのは平成27年9月の台風の時で、この時は上層部の鬼怒川が決壊。1900万㎥もの水が流れ込み巨大ポンプ4台で4日間かけて排水し、洪水から町を守ったそうです。排水ポンプは4台設置されており最大排水量は200㎥/s。これは25mプールを1秒で空にするほどの能力を持っているんですって。スゲー。
今年度はすでに5回稼働していおり、最近では10月7日に稼働したようです。この日覚えています。私が仙台でめちゃくちゃ雨に降られていた日です。
そのポンプの操作をしているのが中央捜査室。施設内には全部で56台のカメラがあり、20のモニターで各施設の状況が確認できます。まさに首都圏外郭放水路のブレイン的場所。
この捜査室も多くのドラマでロケ地となっていますね。下町ロケットにおいては帝国重工のオペレータールームとして使われました。技術は嘘をつかないッ!( •̀ᴗ•́ )
地下神殿(調圧水槽)
ここでいったん休憩タイムを挟み、いよいよ地下神殿こと調圧水槽の見学になります。休憩後に再集合して、いざ地下神殿へ!
龍Q館を出て調圧水槽入口へ移動します。
15時半ごろなのでもう夕方ですね。見学が終わる頃に日暮でしょう。
入り口付近は公園になっているようでスケボーやサッカーを楽しむ子供の姿が見受けられました。そんな中にポツンとある地下神殿への入り口。完全にダンジョンの入り口だ……。
ここから長い階段を下って行くのですがその間は写真や動画といった撮影行為は禁止です。転倒防止ですかね。濡れていて滑りやすいところがあるので気を付けて参りましょう。
階段を降り切った時点でもう地下神殿の風格がありますね。全員降り切ったら調圧水槽の説明が始まります。
写真中央に見えているのが第一立坑で今回の見学会のトリです。今見えている第一立坑は上部1/3程度で、この下には50mほど立坑が続いています。
一番下の所に直径10mのトンネルがありそこから水が流入。水位が上がるとこの調圧水槽に入ってきて、この水槽が埋まると壁の向こうのポンプ室から水が吸い上げられるという流れです。
柱の一つに『定常運転水位』『ポンプ停止水位』と書かれた印があります。この定常運転水位を超えないようにポンプを稼働させているのです。
ポンプ停止水位はポンプ室にあるポンプの羽根車と同じ高さにあるので、これより水位が下回ると羽根車が空回りし、水は吸い上げられません。この水位以下の水は第三立坑にある残水処理ポンプを使って倉松川に戻されます。
調圧水槽の広さは高さ18m、幅78m、奥行き177mで、これだけの広さが必要な理由は排水ポンプをスムースに稼働させるために必要な水深、水量を確保するため。もしポンプが緊急停止してしまった場合、今まで流れていた水が行き場を失い逆流して津波のようになってしまうのですが、その水圧を調整できる広さを確保しようとするとこれだけの空間になるようです。
柱は1本で高さ18m、重量500t。
それが59本もあるというんですから壮観です。地下神殿の異名に全く名前負けしていないこの景色。素晴らしいですね( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )
これだけの柱を立てる理由は地下水からの浮力を抑えるため。地下にこれだけの空間をつくると周りは地下水だらけなので水の中に浮き輪を鎮めたのと同じような状態になります。つまりこの地下空間自体が浮き上がらないように柱と天井が重りの役割を果たしているということ。
[st-kaiwa1 html_class=”wp-block-st-blocks-st-kaiwa”]天井を支えるための柱じゃないのか
想像と逆の役割でした。まさか押さえつけるためだとは。
柱が小判型をしているのは水をこちら側からポンプ側に流す流れを作るため。円柱だと水が渦を巻いてしまってうまく流れないみたいですね。
また水流に対する厚さが増えることで強い水圧に負けないようにする意図もあるのだとか。すべてが合理的で美しい……。
この調圧水槽は川の水を流入しているので土砂も流入します。年間平均7回ほど稼働すると土砂は2,3㎝ほど溜まるとのこと。見学場所だけは人の手で泥を掃除しているようですが、そのほかの場所は年に一度、雨の少ない冬の時期にブルドーザーを使って掃除をします。
こんな場所にどうやってブルドーザー乗り込むのかと言いますと……
ブルドーザーは天より降臨します。
天井のこのへこんだところが開いて、クレーンで釣られながらブルドーザーを持ってくるんですって。大胆。
これはベンチではなくブルドーザーが第一立坑に落ちないようにするための車止めでした。
ブルドーザーと集められた土砂は再びクレーンで回収。土砂は江戸川の堤防の材料として再利用されるというんですから無駄が無いですね。
一通り説明を受けたら地下神殿の撮影タイム。その自由時間が終わったら次はいよいよ立坑です。地下神殿目的で参加した見学会ですが取りに持ってこられると立坑見学もワクワクしますね。
水槽と立坑は繋がっていますが直接行くことはできないのでいったん地上に出て別の入り口から立坑に入ります。116段登り返しです。結構長いんですよねこの階段:;(∩´﹏`∩);:
地上に出ました。これはブルドーザーの入り口かな?
第一立坑
立坑に入ったらヘルメットと
ハーネスを装着。深さ70mの立坑を間近で覗くこのコースは高所恐怖症の方には辛いかもしれません。職員さんも少しでも体調が悪くなった人は報告するようにと念押しをしてらっしゃいました。過去には、怖くなった参加者もいたのでしょうね……。
職員さんについて行って螺旋階段を下りていきます。私が参加者の先頭か……。
立坑の一番下まで続いている階段ですが、見学者は60段ほど下りたところでストップ。
先ほど見学した調圧水槽を見たら引き返します。遠くから見る地下神殿も良いですね。
ちなみに立坑はこんな感じ。ヒェッ……深淵(アビス)や……。
作業用通路(キャットウォーク)
お次は作業用の通路通称「キャットウォーク」です。
立坑に沿って設置させられたキャットウォークはスリル満点。
高度感が凄まじい。
遠目に見るととても心もとない足場。
ゾッとしてしまいます。
ハーネスはこのキャットウォーク見学のためのものでした。
覗き込むと立坑に飲み込まれそうですよ。
先ほど降りたオレンジ色の階段が見えます。一番下までは310段ありますが私たちは60段ほど下りましたね。下に行くほどオレンジのネットが汚れているのは流入した土砂のせい。
立坑の緑色に変色しているところとオレンジネットの汚れの境目が同じ部分にあります。第一立坑に流入した水はマックスでここまで来るという事です。この位置と定常運転水位は同じ高さ。貯水量に余裕を持たせた設計であることが分かりますね。
ここで職員さんから安全に立坑を撮るためのアドバイス。この足場の穴ろスマホのレンズを合わせて撮ると、スマホ落下のリスクを抑えて写真が撮れるとのこと。冗談みたいなアドバイスに思えるかもしれませんがこの立坑にはもう2台ほどスマホが沈んでいるという話を聞くと冗談ではないんだなと分かりました:;(∩´﹏`∩);:
カメラ発見。ライブカメラで立坑の様子が見られます(๑•̀ᴗ- )✩
そろそろキャットウォークを一周。見学の終わりが近い。
黄色いのはエレベーター。電気系統が水で壊れないようにケーブルで下りていくタイプのものです。特別な資格が無いと乗れないようで乗れるのは職員でも乗れるのは3名ほどとのこと。
普段の点検は310段昇り降りして行うとのことです。ハードだ……頭が下がります。
見学会終了!
という事で立坑コースすべての行程が終了。ヘルメットとハーネスを返却したら解散です。非常に学びの多かった見学会でした。
立坑内では「ゴォォォン……」「ゴォォォン……」と鈍く響く音が度々していたんですけど、これは治水施設由来のものではなく立坑上のスケボーエリアで楽しんでいる方々の音でした。
真実は意外と拍子抜け。見たぜ、幽霊の正体(。◔‸◔。)
夕暮れ……とてもいい時間を過ごさせてもらいました。こういう見学会、これからも参加してみたいですね。本当に素晴らしい知識が得られます。
やはりその知識に精通している人から説明を受けながらの見学は得るものが多い。ガイドさんという方々にはお金を払う価値があるなと、今日を経て強く思いました😁
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